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    鬼姫様と俺物語

    投稿者 コピペさん (#1)    投稿日 3019 日前
    思い出話だけど、以前病院で事務当直の仕事をしていた時、(事務当直って要は夜の病院の事務員のことね)「鬼姫」って仇名されてる外科の女医さんと仲良くなった。

    この先生は俺より5つ上だったから、当時35歳。
    背が低くて見た目35といってもどこか幼さの残った童顔の美人さんだったんだけど、気が短くてすぐに怒鳴り散らす、しかも空手の有段者というメチャクチャ怖い先生で、皆から一目置かれてて「鬼姫」って仇名されてたんだ。

    後輩の研修医とか何度怒鳴られてたか。
    腕は良かったみたいだし、どんな患者でも受け入れてくれるから患者からの人気は高かったけど、我々病院関係者の間では正直評判の悪い人でした。

    俺もこの鬼姫様には何度怒られたか。

    初当直で顔合わせをした時、見た目美人だからいいなあ、と思って幻想抱いたのもつかの間、
    「カルテの用意が遅い」とブチ切れられて事務部長に報告されたり、患者の主訴(要は病状の訴え)をしっかり聞け、と怒鳴られたりそりゃさんざん。
    この人と一緒に当直で入る時は激鬱状態でした。

    けどどっか魅力的な人だったのも事実で、当直業務を始めて1年くらいしたころ、何のきっかけか忘れたけど、夜中にコーヒーをこの鬼姫様におごってもらってしばらく雑談をしてから、急に打ち解けるようになった。

    話してみると結構ざっくばらんでさっぱりした性格の人で、何かのきっかけでこの人が、
    「この世界って何だかんだで男社会でしょ? 気が付いたらこんな風になっちゃって」
    と自分が病院関係者の受けが悪いことについて、そのことを自虐的に話しながら寂しげな頬笑み浮かべる彼女の横顔に完璧惚れました。

    打ち解けたといっても、仕事については相変わらずうるさくて、不手際があると速攻で彼女の雷が落ちてきたけど、けど、それ以外の時間がある時は結構雑談をしたりするようになって、いろいろ二人で話をするようになった。

    いろいろ話をしていてわかったことは、

    ・彼女は過去に一度離婚歴があって現在一人であること(子供はいないとのことだった)。
    ・仕事が忙しいから、全く出会いがなく結構孤独であること。
    ・このまま年をとっていくことにどこか不安を感じていること。
    ・けど今の外科医の仕事には誇りを持っているし続けていきたい事。

    などで、今思うと結構赤裸々な話を聞かせてもらったなあ、と思うし、それ以上に当時の俺は、
    「これは頑張ればもしかすると」という厭らしい計算をしておりました。

    自慢じゃないけど、この当時の俺は生まれてからずっと彼女なんていなかったし、しかも職場が同じで何かと噂を立てられやすい危険がある、
    この鬼姫様を口説くなんてものすごく大それたことだったんだけど、そんな不安をかなぐり捨ててなりふり構わずがんばってました。出来るだけ彼女と一緒に当直に入るようにし、雑談をしたりするようにして何とか彼女との距離を縮めようとしてた。

    それから思い切って食事に誘ったのは彼女に本気になって大分経ってからだった。
    当直明けにこっそり医局の前で待ち伏せて彼女に思い切って声をかけると、
    「いいよ、じゃあ今度行こうか」
    とあっさり約束を取り付けることが出来た。

    あのときは嬉しくて天にも舞い上がる気持ちだった。

    初めて行ったお店はとあるステーキハウス。
    彼女肉が好きだという話を聞いていたので、いい店を探していたんですね。

    店の近くの駅で待ち合わせをして、1時間前に待ち合わせ場所に向かうと、驚くことに鬼姫様は先におりました。
    時間を間違えたかもしれない、と思って恐縮していると、
    「ごめんごめん、あたしいつもこんな風なんだ。相手待たせるの嫌なの」
    とけらけら笑ってました。

    この時は11月の某日。
    真っ黒のコートに身を包んだ彼女が病院で見慣れた白衣姿と違って妙に色っぽくて、ドキドキしながら店に向かったのを覚えてます。
    この店で何を話したかって実はあまり覚えてない。
    緊張してた方が先だったから。

    ただ、食事を終えた後意外な展開があって、
    「まだ時間早いし、どっか飲みに行こうよ」
    と彼女に誘われて、別の居酒屋に行くことに。

    ここでお互い飲みながらダラダラとしゃべり続けてました。
    彼女は酒に強いのかかパかパ飲んでるんだけど、全く酔う事もなく、逆に酒に弱い俺は少し飲んだだけで顔が真っ赤になってしまい、彼女にからかわれたりしたものです。

    会話はこっちの居酒屋の方がリラックスしていたためか盛り上がって、仕事の事はもちろん、お互いのプライベートのことでいろいろと話題は尽きず、楽しい時間を過ごせたものでした。

    終電が近くなって帰り際、情けない話だけど、酒に足を取られてふらつく俺は彼女の肩を借りながら駅まで歩く始末。
    「男なのに情けねえなあ」
    と鬼姫様はそんな俺に呆れながらもずっと肩を貸してくれてた。

    それで駅での別れ際。
    酒に酔ってたからだろう。思い切ってそのまま告白してた。
    相変わらず足元ふらふらさせながら。
    告白するシチュとしては決してほめられたもんじゃなかった。

    案の定、
    「もう少しムードっていうものが欲しいんだけど」
    と彼女は少し不満げにうつむいてこぼしてたけど、
    「こんな私でよかったら喜んで」
    とあっさり快諾してくれた。
    嬉しくて気が付いたら彼女の事思い切り抱きしめてて、そんな俺に鬼姫様も背中に手をまわして抱きしめてくれてた。

    まあこうして俺に生まれて初めての恋人が出来たわけです。
    一番恐れてた女医さんと付き合うことになりました。


    付き合うようになっても職場ではそれは一切極秘にしてた。
    何言われるかわからないし、彼女の職場での立場もあるから。
    てか、当直時、鬼姫様は俺に対しては一層厳しくなり、怒鳴られることが頻繁になって、さらに今までのように口を聞くこともなくなった。
    これはお互いの関係を疑われるのを避けるためだったんだけど、あまりにもそれが徹底していて不安になるほどだった。

    もっともいつも当直明けにメールをみると、
    「ごめんね」
    って彼女からのお詫びのメールが入ってたし、夜中に電話で長話をしたりすることも少なくなかったので、二人の関係がおかしくなるってことはなかったんだけど。

    けど医者って半端なく忙しいから彼女はほとんど休みが取れず、なかなかお互いの都合が合わないから、一緒にデートに行ったりとかってすごく難しかった。
    だから付き合うようになってからもセックスも何もなし。

    最初のうちは彼女と付き合えるようになったって満足からあまり気にならなかったんだけど、このことに不満を感じそうになってきたころ、彼女が今度長期休暇を取れたって言ってきた。
    正月明けの事です。
    そこで、お互いたっぷり二人きりの時間を楽しもうと、1週間かけて温泉旅行に行こう、ということになりました。
    正月明けということもあって旅館の予約も取りやすかったんだけど、なぜか彼女は旅館より二人きりになれる貸別荘の方がいい、といってきたので、温泉付きの貸別荘を1週間借りることとなりました。

    出発当日駅で待ち合わせ。
    興奮してろくに眠れなかったために目が真っ赤に充血している俺を、彼女はからかいながら笑ってたけど、
    「楽しみなのは私も一緒」
    とうんと背伸びして俺の耳元に囁いてきた時は、その色っぽさにドキリとしてしまいました。
    初めてのデートの時と同じ黒いコートを身につけてて、それがすごく似合ってた。

    特急電車に2時間ほど乗り、その後バスに乗り換えて貸別荘へ。
    受付事務所で手続きを済ませた後、自分たちの別荘に向かいました。
    情けない話、この時少し足が震えておりました。

    借りた貸別荘は思ってたよりも結構大きく中も広かった。
    値段は張ったけど、それに見合ったぜいたくな作りで、彼女と驚きの声を上げたのもつかの間、鬼姫様は荷物を置いてきょろきょろとあたりを見回すと、
    「ほら、あれじゃない!?」
    と声を上げて嬉しそうに俺の手をとって部屋の奥に引っ張って行った。

    そこにあるのは専用の露天風呂。
    この貸別荘の売りの一つで、これがこの別荘を借りる決め手となってた。
    「わあ、すごいすごい」
    彼女は声を上げると、
    「入ろ入ろ!!」
    と子供のようにはしゃいでた。
    そこには35歳の女医さんではなく、まるで子供のように愛くるしい一人の女性の姿がありました。

    お湯を溜めながら、荷物を部屋の奥に置くと、ここで彼女は急にはしゃぐのをやめて……。
    「ねえ、私、今日結構勝負かけてきたんだけど、気づいてくれてた?」
    と妙に艶めかしく振り返ってきました。

    俺がどぎまぎしてると、彼女は俺に背中を向けたままあの黒いコートをさっと脱ぎ棄てて、白いタートルネックのセーターと黒いスカートと同じ黒いタイツの姿になると、これもゆっくりと脱ぎ棄てていって、あっさり露わになる下着姿。

    下着は上下ともに黒いレース刺しゅうが施されたものなんだけど、ビックリするのは下の方。
    それはAVの中でしか見たことがないような極細の黒いTバックで、色白の丸いおしりのほとんどを露わにして、はち切れそうに細くぴんぴんに張りつめながら、ぴたりとおしりに張り付いてました。

    と、彼女はこちらに顔だけ振り向けると、ツンとほとんど露わになったおしりを俺の方に突き出して、
    「思い切って買っちゃった」
    と恥ずかしそうに微笑みながら言うと、
    「ちょっと来てみ」
    とおしりを突き出したまま俺を手招き。

    何のことかわからず、俺が静かに近づくと、
    「ねえ、わかる?」
    と意地悪そうな笑み。
    けど何のことかさっぱりだったので、首をひねっていると、
    「もっと顔近づけてみて」
    そう言って自分のおしりに俺の顔を寄せさせる。

    と、少し顔を近づけてようやくわかった。
    そこには濃厚なバラの香り。鬼姫様、香水をかけていらっしゃったのです。

    「わかった? Tバックとおしりにね、ちょっと振りかけてみたの」
    おしりを突き出したまま、彼女は恥ずかしそうに笑みを見せながら言うと、
    「こう見えても、私だって今日の事……すごく意識してたんだから」
    そう言って俺の顔をじっと見つめます。

    恥ずかしげに唇をかみしめてるその表情は、子供っぽいような大人っぽいような不思議な色っぽさをもったもので、こんなシチュエーションに慣れていない俺はどうしていいかわからないでどぎまぎしていると、
    「こっちにも振ってるんだよ」
    と彼女はおしりを突き出すのをやめて、俺の方に全身を向けると、そっと自分のおっぱいを両手で持ち上げ、そっと呟きました。
    「おっぱいにおしりに首筋に……全身にかけてるの。いっぱいいっぱい愛してもらえるように……」

    気持ちが嬉しい、というかなんというか……。
    俺もすごく興奮してたけど、彼女は彼女でこの日をすごく楽しみにしてたんだなあ、と思って……。
    病院ではいつも怖い彼女だけど、今こうやって俺の前で「女」をアピールするその姿がものすごく愛おしく思えました。

    と、露天風呂のお湯がいっぱいになったのか、ざあざあと溢れる音が届いてくると、
    「ねえ、早く入ろ?」
    そう言って彼女は自分のまずブラを外し、そしてTバックを脱ぎ捨てました。

    30を超えてたけど、空手をやってる影響なのか、その色白の身体はきゅっと引き締まってて。
    おっぱいは真ん丸で大きすぎず逆に小さくすぎることもないバランスも形もいいものだったし、おしりも無駄な肉の付いていない丸く引き締まった綺麗なものでした。
    あと腹筋がうっすら割れてたのが印象的で、そういうフェチの人にはたまらなかったと思います。

    「ねえ、早く……」
    彼女の裸体に見惚れてぼんやりしていた俺は色っぽく声をかけられると、あわてて全裸になりました。

    露天風呂といっても周囲から見られないように高い壁があって、天井だけが露わになってるという感じでした。
    お湯がざあざあと溢れ湯気がいっぱいに広がる中、俺と彼女はかけ湯もしないでそのまま湯船に入りました。

    と、湯船に入るや否や、彼女は俺を抱きしめると、そのまま舌を絡めてきました。
    俺もそれに応えるようにして舌を絡め返し、そのまま舌の交わり合いを続けました。
    キスは風俗嬢相手にしたことしかないので、上手いのか下手なのか自分でもわかりませんでしたが、彼女は夢中で俺と交わり続け、途中からは、
    「ん……んん……」と色っぽい声をこぼすようになっていました。

    そっと見ると、彼女は心地よさ気にうっとりと瞳を閉じて、俺の事を貪るように舌をうごめかせ続けています。
    そんな彼女に応えようと俺は興奮しながら懸命に舌をうごめかせ続けました。

    どれほどの間キスが続いたか。
    あんなに濃厚に長くキスし続けたのは初めての事でした。

    唾液の糸を粘っこく幾筋も引きながらお互い唇を離すと、彼女は息を弾ませたまま頬をそっと赤らめて言いました。
    「2年ぶり……なんだ……セックスするの……」
    そう言うと鬼姫様は俺の耳元に唇を近づけ、
    「はあはあ」と弾む吐息を艶めかしく俺の耳に吹きかけながら囁きました。
    「もうね……ずっとずっと待ってたの……ずっとずーっと……」

    彼女の姿は恥も外聞もかなぐり捨てて、ただこれからのセックスに興奮する一人の女性のものでした。
    それは一般的に見たらいわゆる「痴女」のようなものに見えるかもしれないけれど、俺にはそういう下品なものというより、セックスに素直に悦びを感じる美しい女性の姿のように思えました。
    「ねえ、おちんちん……しゃぶってもいい?」
    彼女がまるで泣き出しそうな感じで切なげにおねだりをしてきたので、自分はこれを受け入れるしかありませんでした。
    この時本当は、彼女の丸いおっぱいを舐めたりしたかったのですが、こうおねだりされてしまっては、断るわけにはいきませんでした。

    だから、この時は完全に鬼姫様のペースで行くことになりました。
    「嬉しい……」
    俺の返事を聞いて彼女は本当にうれしそうな優しい笑顔を見せると、再び俺に唇を重ねてしばらく舌を絡ませると、そのままするすると身体をずらしていって、既に大きくなっている俺のものをそっと両手で包み込みました。
    そしてまるで子供のように無邪気な表情を見せながら、そのまま俺のものの頭の部分を両手でこねまわすと、
    「じゃあ、舐めるね……」
    と静かに顔を上げて、俺の顔をじっと見つめて言いました。
    そのあまりの色っぽさに思わず射精しそうになりましたが、幸い発射することはありませんでした。

    俺のものは湯船の中に沈んだままだったので、このままじゃ彼女が舐められないので、俺はソープでするようにして、腰だけを浮かせるようにしました。
    最初そのまま彼女は俺のものをそのまま咥えこもうとしましたが、
    「このままじゃしんどいよね……」
    そう言って、鬼姫様は俺の横の方へ体を回すと、そのまま正座をして姿勢をただし、ソープ嬢と同じように浮かせてある俺の腰の下に横から自分の太ももをあてがって、
    「ここにおしり乗っけていいよ」
    と優しく言ってくれました。

    彼女に甘える格好で俺は彼女の太ももに腰を沈めます。
    鬼姫様の太ももはピンと肉の張った、けれどあたたかくやわらかなものでした。
    「重たくない?」
    俺が聞くと、
    「大丈夫」と彼女は優しく微笑んでくれました。

    と、彼女は再び俺のものに顔を向けると、そのままそっと瞼を伏せ、そのまま湯船から顔だけ覗かせている俺のものを静かに咥えこみました。
    あたたかくやわらかな彼女の唇がぴたりと吸いつくようにして俺のものの頭を包み込んだ瞬間、その優しく甘い刺激に俺は思わず小さく呻きました。
    そのせいか、一瞬、彼女は動きを躊躇しましたが、そのままゆるゆると俺のものを奥深く呑み込んでいって、ドクンドクンと脈を打つ茎の根元の部分まで頬張っていました。

    と、そこでそのまましばらくじっとしていると、彼女は再び唇を吸いつかせたままゆっくりと持ち上げていき、頭の部分だけを包み込むようになると、またも奥深くまで俺のものを呑み込んでいきました。
    ゆっくりと何度も何度も丁寧に優しく優しくその行為は繰り返されました。

    それはものすごく上手だったかどうかというと疑問です。
    ただ、彼女は「鬼姫様」と呼ばれる職場の態度とは違い、驚くほど丁寧にたっぷりと時間をかけてねっとりと愛し続けてくれました。
    最初に比べると、唇を上下させる動きはやや早くなってきましたが、それでもAVみたいに激しく上下するものではなく、優しく愛情たっぷりにゆっくりと唇を上下させ続けていました。
    その心地よさは風俗では味わえない初めてのもので、とろとろととろけていきそうになるものでした。

    うっとりとしてぼんやりする中、気がつくと俺はよだれが垂れていましたが、もうそんなこともどうでもよくて、彼女の為すがままにされていました。
    鬼姫様は相変わらず瞼を伏せたまま、優しく唇を上下に動かし続けていました。

    「気持ちいい?」
    彼女が恥ずかしげに声をかけてきたのはそれから大分経ってからの事です。
    それまでずっとずっと鬼姫様はゆったりと深く深く俺の事を愛し続けてくれていました。
    こんなに長くフェラチオをされたことは生まれて初めての事でした。

    「うん……」
    俺がぼんやりしたまま答えると、
    「ありがと」
    彼女は恥ずかしげに唇を噛みしめて笑みを見せると、
    「じゃあ、もっともっとしてあげる」
    そう言って再び俺のものを唇で咥えこみました。
    さっきと同じようにゆったりと愛情たっぷりに唇の上下動がしばらく続くと、不意に俺のものの頭を何かが這いまわる新たな刺激がありました。

    唇で愛しながら彼女は同時に舌を俺のものに這わせてきていたのです。
    これも驚くほど丁寧なものでした。
    優しく丁寧に大胆に、時にきめ細やかに、彼女の舌が俺のもの全体を舐めまわしてくれていました。

    彼女の太ももで支えてもらいながら、唇で優しく包まれつつ、舌で愛されることは、まるで夢の中にいるような心地でした。
    テクニックは風俗嬢のものに比べたら劣るものでしたが、それ以上に彼女の想いがたっぷりと感じられて、それが得も言えぬ高まりを与えてくれていました。
    ですから普通フェラだけでイクことのない俺でしたが、この時はそのままイってしまいそうになりました。
    腰のあたりがむずむずしてきて、あの射精直前の独特の感覚に襲われていました。

    「出るよ……」
    俺がつぶやくと、彼女ははっと顔を上げてそのまま唇を離しました。
    「え?」
    不意に現実に引き戻されたようで俺が思わず声を上げると、鬼姫様は俺からいったん離れ、そして俺の両頬を包み込んでとろんとした表情のまま言いました。
    「イクなら私と一緒に……ね?」
    と、彼女は俺の事を見つめたまままたがってくると、俺のものを優しく手にとりました。そしてそっと囁きました。
    「入れるね……いい……?」

    彼女の意図はすぐに理解出来ました。
    けれど、こちらは彼女に何もしていません。
    ただ彼女とキスして彼女にフェラチオしてもらっただけなのです。
    「いいけど……大丈夫?」
    いきなり挿入しても大丈夫なのか心配になって俺は尋ねました。

    俺の言葉に鬼姫様は小さく微笑むと、そっと俺の右手をとり、そのまま自分の花びらに触れさせました。
    「あ」
    思わず声を上げたのは俺でした。
    一瞬触れただけでしたが、そこはまるで何かを塗ったようにして既にヌルヌル、いやドロドロといっていいほどに粘って濡れていました。
    それがお湯とは違うのは明らかで、何で濡れているかはすぐに理解出来ました。
    「……大丈夫でしょ?」
    彼女は囁くと、
    「もうね、私さっきからいっぱいいっぱい濡れてたんだよ。欲しい欲しいって……」
    それは女性が口にするにはかなり恥ずかしいセリフだと思うのですが、なぜかあまり卑猥さは感じず、むしろそんな彼女が可愛らしくて、そして愛おしく思えました。

    彼女は再び俺のものを手にとりました。
    「入れるね……」
    そう言って彼女は俺のものを自分の濡れた花びらにあてがいました。
    その瞬間、あたたかくねとりとした感触がしました。

    「ん……」
    鬼姫様は小さく声を漏らすと、そのまま腰を沈めていきました。
    自然に俺のものがずぶりずぶりと彼女の中に埋まっていきます。
    彼女の中は熱いほどで、たっぷりとドロドロに濡れていました。
    そして驚くほど力強くきゅうきゅうと俺の事を締め付けてきていました。

    なおも彼女は腰を沈め続けます。そして限界まで腰を沈めると、
    「ああっ!!」
    と大きくのけぞりました。
    真っ白い喉元が露わとなったその姿があまりにも美しかったのが今でも印象的です。

    不思議なことにそのまま彼女はしばらく身動きしませんでした。
    俺を思い切り抱きしめのけぞったまま身体を細かく震わせながらじっとしていたのです。
    彼女の中にある俺のものは痛いほどにぎゅうぎゅうと締め付けられていました。

    どれほどの時間が経ったか……。
    「はああ……」
    と安らいだ吐息を細く長く漏らしながら、彼女はふっと全身の力を緩めると、静かにのけぞらせていた身体を戻して俺を見つめ、
    「はあはあ……」と息を弾ませながら恥ずかしげに微笑んで言いました。
    「イっちゃった……」
    どうやら俺のものを入れただけで彼女は絶頂を迎えてしまったようでした。
    「大丈夫……?」
    俺が聞くと、
    「うん平気……」
    彼女はそっと呟くと、そのまま唇を重ね、舌を入れてきました。
    熱く濡れた彼女の舌が俺の中でねっとりと這いまわるので、俺はそれに応えようと不器用に舌を動かすだけでした。

    舌を絡ませ合いながら、彼女は俺のものを咥えたままゆっくりと腰を上下に動かし始めました。
    「うんん……んんん……んんんんっ!!」
    唇を重ね合ったままこぼれる彼女の声が徐々に大きく、そして乱れたものとなっていきました。
    それに合わせて腰の動きも激しいものへと変わっていっていました。

    俺は彼女を抱きしめたまま、なおも夢中で彼女と舌を絡め続けます。
    「うんっ! ううんん……んんっ! んんんんっ!!」
    彼女は唇を重ねたまま苦しげに声を漏らしながら、いつしかその顔を真っ赤にして、なおも腰を激しく上下に動かし続けていました。そのため湯船のお湯が激しく波打ち、その飛沫が何度も互いの身体を濡らしました。

    彼女があまりに苦しそうにしているように見えたので俺は唇を離そうとしました。と、
    「ううんっ!! んんんっ!!!」
    彼女は一際大きく声を漏らすと俺の頭をぎゅうと両手で抱え込み、なおも舌を絡め続けました。
    どうやら鬼姫様はこのままキスをし続けたいようでした。
    俺が再び舌を絡ませると、彼女ま嬉しそうに俺の動きに応えてくれていました。

    それからもなおもお互い唇を重ね合ったまま、彼女は腰を激しく上下に動かし続けました。
    苦しげに眉間に皺をよせながら、彼女は懸命に腰を上下させながら、俺を貪るようにして熱い舌を絡め続けています。

    セックスしながらこんなに長いことキスをし続けたことは初めての事でした。
    息苦しさは確かにありましたが、それ以上に彼女と一つになっている実感がはっきりとあって、俺も夢中で彼女を貪るようにして舌を動かし続け、彼女の唾液をすすり続けました。

    と、
    「んんっ!! んんんっ!! んんんんんっ!!」
    キスをし続けながら鬼姫様の漏らす声が徐々に高まっていきました。
    彼女の全身がぎゅうっとこわばり、腰の動きは少しゆっくりと、しかし一層大きなものへと変わってきました。

    唇を重ね合ったまま、彼女は叫びました。
    「ひぐっ! ひぐっ!! ひぐうううっ!! ううううううっ!!」
    そして思い切り俺を締め付けるとそのまま全身を硬直させて動きを止めました。
    ブルブルと身体を大きく震わせながら。

    最初俺は彼女が何を言っているのかわからなかったのですが、思えば「イクイク」と叫んでいたのだと思います。
    彼女は再び絶頂を迎えてしまったようでした。

    と、ふっと彼女の全身の力が緩むと彼女は気だるげに俺と舌を交らせていましたが、しばらくして腰をゆっくりと上下に動かし始めると再びその動きを激しいものへとしていきました。
    そして舌を絡めながら、鬼姫様はそれからもさっきと同じように何度もこぼす声をひときわ大きくして、全身を硬直して何度も何度も絶頂を迎えました。
    AVとかじゃないですが、連続絶頂というのでしょうか。
    もう狂ったように何度も何度もイキまくる、そんな感じでした。

    気がつくと彼女は全身を真っ赤に染め、ぽたぽたと大粒の汗を滴らせ、伏せられた左右の瞼からは涙が溢れていましたが、しかしそれでもなお俺から唇を離そうとせず、腰の動きを止めようとしませんでした。
    それは俺のために尽くしているというより、彼女にとって2年ぶりというセックスを心から味わい尽くし楽しんでいるようでした。
    鬼姫様はそれからも俺と唇を重ねたまま、何度も何度も果て続けながら、なおも腰の動きを止めず俺の事を求め続け、そして俺もそんな彼女を求め続けるのでした。

    それからどれくらい経った頃でしょう。
    なおも狂ったようにお互い求め続ける中、俺自身の限界が迫ってきました。
    吸いついたまま離れない彼女の唇を半ば強引に引き離すと俺は言いました。
    「イク、イクよ……!」
    俺が息も絶え絶えに言うと、鬼姫様は溢れる涙をそのままに俺の事を見つめて、
    「うん、うん……!!」
    と何度もうなずいてくれました。
    「私もイクから……一緒にイこ……!!」
    そういうと彼女は再び俺に唇を重ね、腰の動きをさらに激しく濃厚なものにしていきました。
    大きく上下させながらさらに気まぐれにぐねぐねと回転させてくるのです。

    一緒にイこ、というのはいいですが、このままだと彼女の中に射精することになってしまいます。
    この時俺はコンドームをしていませんから、それは危険だと思い、再び唇を引き離すと言いました。
    「このままじゃやばい……やばいって!!」

    けれど鬼姫様は叫ぶようにして言いました。
    「いいの、このまま来て!! 中にいっぱい出して!!」
    そして再び唇を重ねようとします。

    「ダメだって、それはダメだって!!」
    中出しのAVや漫画などだったら彼女の返事をいいことに、勢いよくそのまま彼女の中で射精をしていいかもしれませんが、現実問題そうはいきません。それはあまりにも危険すぎました。

    いよいよ限界が迫ろうという中、俺は腰を引き離そうとしました。
    なんとか中で射精することは避けようと思ったのです。

    しかし彼女はそれを許してはくれませんでした。
    器用に俺の事を両脚で締め付けると強引に唇を重ねてきて、なおも腰を激しく動かし続けました。
    「んんっ!! んんんんっ!! んんんんんっ!!!!」
    彼女自身限界が迫っているのでしょう。
    涙を溢れさせながらこぼす声を一際大きくしていきました。

    俺はそんな彼女に一種の恐怖を覚えました。
    異様という方がいいのでしょうか。
    何か恐ろしいものを見てしまったようで、背筋に寒いものを感じました。

    しかし、それ以上に彼女の腰の動きが、そして舌の動きが俺のことを一層刺激してきて、いよいよ我慢できないほどになってきました。
    (もうどうにでもなれ!)
    そう思った俺は彼女をぎゅうと思い切り抱きしめ、舌の動きをさらに激しいものにしながら、自分からも彼女を突き上げました。

    「んんん!! んんんんんっ!!!」
    俺に腰を突き上げられながら、彼女は一瞬驚いたような表情を見せましたが、それは一瞬のことで、それからは快感を貪るようにして自身の動きを一層艶めかしいものにしながら、いよいよ迫る自身の限界に悦びの声を溢れさせ続けました。

    「んんっ!! んんんんっ!! んんんんんんんっっ!!!!」
    鬼姫様の声と俺の声が一つに交り合いながら、お互い夢中で身体をぶつけ合います。

    と、それまで何度も繰り返されたのと同じように、彼女はぎゅうと身体をこわばらせると俺の事を思い切り締め付けてきました。
    いよいよ限界が迫ってきたのでしょう。

    そしてその締め付けが今度は俺の限界を招きました。
    腰のあたりにびりりと電気が走ると、俺は全身を硬直させて、そのまま勢いよく何度も彼女を突き上げながら思い切り彼女の中で射精していました。

    「んんんんっ!!! ううんんんんんっ!!!」
    俺が射精した瞬間、鬼姫様はひときわ高い声を漏らすと、そのまま身体をこわばらせて全身を大きく震わせました。
    彼女も絶頂を迎えたようでした。

    それからしばらくお互い動きを止めていましたが、いつしか再びお互いを慰めるようにしてゆったりと舌を交らせ続けていました。
    「んん……ううん……」
    うっとりと心地よさ気に声を漏らしながら彼女は舌を絡め、そしてまるで俺のものをすべて絞りだそうとするように湯っくる地腰を上下にうごめかせていました。
    俺はこの時ぐったりしていて、けだるげに舌を絡めながら、あとは彼女のされるがままにされていました。

    唇を離したのはそれから大分の時間が経ってからの事です。
    その瞬間、
    「ぷはあ」
    とお互い思わず声を漏らしました。

    ふと見ると、お互いの唾液が溢れたせいでしょう。
    彼女の唇からあごにかけてがドロドロに濡れていました。
    そっと指先で触れてみると、自分のあごもドロドロに濡れていました。

    それからもお互い抱き合って大きく吐息を乱れさせたまま、じっと見つめ合っていました。
    この時まだなお俺のものは彼女の中にありました。

    と、先に口を開いたのは彼女の方でした。
    「いっぱいイっちゃった……」
    そうこぼすと彼女はふふふと嬉しそうに笑いました。
    すごく満足だったのでしょう、それは心から嬉しそうな笑顔でした。

    けれど俺の方は気持ちよかったのはもちろんですが、それ以上に不安の方が強くて、内心ドキドキしていました。
    なにしろ彼女の中に思い切り射精してしまったからです。
    だから俺は少しイラついたような調子で言いました。
    「これ……大丈夫か……? やばくない……?」

    俺の言葉に彼女は一瞬きょとんと首を傾けていましたが、すぐに意味を理解したのでしょう。
    そっとうつむいたあと小さく微笑みました。
    「大丈夫だよ。私、子供出来ない身体だから」

    突然の彼女の言葉の意味が理解できませんでした。
    何を言ってるんだ、そう思いました。
    そんな俺に彼女は優しく、けれどどこか寂しげに微笑みを浮かべながら言いました。
    「私、子供出来ないんだよ。前の旦那と別れたのもそこれが原因だったし……」

    それは初めて聞く告白でした。
    俺はどう返事をしていいかわからず言葉を失ってしまっていました。
    「いろいろ治療も受けてみたんだけど、ダメでね……もう諦めてるんだよ……」
    鬼姫様はそういうとそっとうつむきました。

    「……」
    子供が出来ない。
    それが女性にとってどれほど大きな障害であるか……。
    俺は彼女に声をかけることが出来ず、一緒にうつむくことしかできませんでした。

    と、彼女はそれまでとは一転、ぱっと明るい声で言いました。
    「だからさ、私おなかの中にいくら出されても平気なの!
    それに病気もないから何の心配もないよ! 平気平気!!」
    そういうと彼女はケラケラと声を上げて笑っていました。

    そんな鬼姫様の笑顔はどこか痛々しくて……。
    俺がどうしていいかわからずにいると、彼女は俺の耳元でそっと囁きました。
    「私は大丈夫だから……。君は余計なこと考えなくていいんだよ……」

    それはどこまでも優しく、そしてどこまでも切なげな囁き。

    と、鬼姫様は再び俺の事を見つめると首を傾げて言いました。
    「子供の出来ない女……嫌……?」

    鬼姫様ほど怖い女性はいませんでした。
    カルテの用意が遅いと怒鳴られ、診察室の用意がなってないと事務部長ともども叱られ、プライベートでも何度喧嘩をしたことかわかりません。

    しかしそれ以上に優しい人でした。
    酔い潰れた俺に肩を貸してくれるような人。
    喧嘩をしたら必ず先に謝ってくる人。

    それが彼女でした。

    そんな彼女を誰が嫌いと言えるでしょうか。
    だから俺は言いました。
    「ううん、全然。大好きだよ」
    「ありがと……」
    俺の言葉に彼女は小さくつぶやくと、再び唇を重ねてきました。
    それは優しく甘いキスでした。

    それからもしばらくお互い抱き合ったままでいました。

    と、鬼姫様が言いました。
    「ねえ、そろそろ出ない? のぼせてきたよ……」
    彼女の言葉に俺もうなずき返しました。
    正直俺もこの時かなりのぼせてきていて、溢れる汗を止めることができませんでした。

    ここでようやく俺は彼女の中から自分自身を引き抜き、お互いの身体を離しました。
    と、鬼姫様は自分の濡れた花びらにそっと手をあてがったままじっとしていました。
    「どうしたの?」
    俺が聞くと、
    「このまま君のものを出しちゃったらもったいないじゃない」
    そう言って鬼姫様は笑うだけでした。

    それからしばらくして俺たちは露天風呂を出ました。
    そして軽くシャワーを浴びて汗を流すと、室内で全裸のままぐったりと横たわっていました。気まぐれに口づけあいながら……。


    ある夜の当直のひとコマ……。

    突然鳴り響く恐怖の内線。受話器の先からは鬼姫様の怒鳴り声。
    「遅い!! カルテの用意くらいさっさとしろ!!!」
    「はい、すいません!!」
    カルテ用意のため全力疾走する我ら事務員一同。

    救急診察室裏の関係者室で研修医たちを前に立ちはだかる鬼姫様。
    「お前らそれでも医者か! そんなことならさっさと辞めちまえ!!」
    しょんぼりする研修医たち。そしてあげく泣き出す若い女性研修医。

    救急搬送依頼の電話を事務から鬼姫様にした際、主訴について一瞬のもたつきがあった直後。
    「主訴をしっかり聞け!!」
    「はい、すいません!!」
    頭を下げて改めて説明を繰り返す俺……。

    「瞬間湯沸かし器」
    「スイッチ入ったら終わり」
    「院内最強のドS」

    病院関係者の間で様々な評判を立てられて恐れられている鬼姫様。

    患者にはともかく、我々には常に男言葉でしか喋らず、ほんの些細のミスも許さず完璧かつスピーディに仕事が進むことを要求する容赦のない性格。
    少しでもミスがあろうものなら速攻で大爆発。

    その御威光は医長先生すら圧倒するという噂もあるほどで、
    「鬼姫様には最大限の注意を払って対応するように」
    というのが我々関係者の合言葉。
    それゆえ、病院関係者の誰からも嫌われていた鬼姫様でした。

    その鬼姫様が今、俺の横で全裸で横たわっていました。
    湯上りで少しのぼせていたせいか、色白の肌をほんのりと桃色に染めて、職場で見せるあの冷徹な表情とは別人のような優しい笑みを浮かべながら……。

    「だいちゅき♪」
    鬼姫様は甘くとろけるように言葉を漏らすと、何度目になるでしょう。またも瞳をそっと伏せて唇をとがらせると、俺の唇をまるで小鳥がくちばしで何かをついばむように細かくキスしてきました。

    鬼姫様は30を超えていたとは言え、童顔の美人さんでした。
    大きな瞳を潤ませながら、一途にこちらを見つめるその表情はまるで子供そのもので、病院で見せる表情とは明らかに違いすぎました。

    病院ではまさしく鬼でしたが、今の彼女は35とはとても思えない、ものすごく幼くて恋人にベタベタ、いやべっとりと甘えてくる、「女の子」そのものでした。
    しかもそれが気持ち悪いとかいうのは全くなく、すごく自然で可愛らしくて魅力的でなによりとても愛しく見えるのだから不思議でした。

    気がつくと俺は彼女の小さな背中を抱きしめて、彼女の中に舌を差し入れていました。
    「ううん……」
    鬼姫様は嬉しそうに声を漏らすと、優しくそんな俺に応えるように舌を動かし、まるで包み込むようにして俺と交わり続けるのでした。

    あの露天風呂でのセックスの後はずっとこんな状態でした。
    のぼせて床でお互い裸のまま横たわりながら、何度も何度もキスを繰り返していました。
    キスをしようとするたびに鬼姫様は、
    「だいちゅき」
    「ねえ、ちゅうしよう……」
    とかいった感じで子供のような言葉遣いで俺に甘えてきました。

    ちなみにこの子供言葉、演技か何かかとこの時は思っていましたが、彼女はどうやら恋人に甘える際、特にセックスの時は、このように「子供がえり」をするところがあるようで、ものすごく甘えたさんになってしまうのでした。
    実際この後も彼女はずっと子のように「子供がえり」をしたままでした。

    何度キスを繰り返したか。

    ようやくのぼせたお互いの身体も冷めてきて、少し肌寒さを感じそうになった頃、俺たちはお互い抱き合って肌のぬくもりをじかに伝えあいながら、べっとりと唇を重ね合って、貪り合うように舌を絡め合い、唾液をすすり合う濃厚なキスを繰り広げていました。

    俺の舌が何度も彼女の動き回る舌に絡みつきながら、彼女は彼女で俺の舌に絡みながら、気まぐれに俺の舌の裏や歯を何度も舌でなぞり、そして唾液を注ぎ込んできました。
    湯上りの熱は冷めましたが、違う熱がまたもお互いの中でぼうと燃えあがってきていて、抑えきれなくなっていました。

    「もう我慢できないよ……」
    鬼姫様は俺の耳元で甘く囁くと、再び唇を重ねてそのままねっとりと舌を絡ませてきました。
    俺が静かにうなずくと、彼女は再び唇を離し、
    「やろ……ね、いいでしょ……?」
    そう囁いて、俺の右の耳の輪郭を器用にゆったりと舌で舐めまわしてきました。
    熱く濡れた彼女の舌がざらりとぬめりと俺の耳を滑っていきます。

    そして舐めまわしながら鬼姫様のこぼす熱く湿った吐息も俺の耳にまともに吹きかかり、まるでノイズのように生々しく彼女の吐息が響き渡りました。
    耳を舐められ、同時に吐息が吹きかけられることに、くすぐったいようなゾクゾクしたものを感じながら、俺自身興奮を抑えることができませんでした。

    俺は無意識のうちに彼女の小さな背中を思い切りぎゅうと抱きしめると、彼女も俺の耳を舐めまわしながら俺を思い切り抱きしめてきました。
    興奮とそして彼女へのたまらぬ愛しさに胸が張り裂けそうになっていました。


    「鬼姫は永久にいなくなったらいい」
    これは当時の職場の同僚の言葉です。

    俺の勤めていた病院では、その日の夜の当直医が職員掲示板に張り出される仕組みになっていたのですが、この掲示板で鬼姫様の名前を目にしたら最後、その日一日は極度の緊張に支配された憂鬱なものとなるのでした。
    少しでもミスがあったら最後。速攻で鬼姫様の雷が落ちるからです。
    ですから、そんな鬼姫様がいなくなったらいい、とは、当時彼女と職場を共にしていた人間の嘘偽りない本音だったっと思います。

    しかし、その鬼姫様も今はどうかというと……。

    興奮のためでしょうか?
    「はあ……はあ……」
    俺を抱きしめたまま丹念になおも俺の耳に舌を這わせ続ける鬼姫様が熱く湿らせた吐息をこぼすたびに、
    「ゾゾゾ……ザザザ……」
    こんなノイズが俺の耳の中で響き渡りました。

    鬼姫様の舌先はぬるりと熱く濡れていて、まるで俺の事をゆっくりゆっくりとろかしていくようにして愛撫を続けます。
    耳の輪郭を舐めまわしながら気まぐれに唇ではむと甘く咥えてきたり、そうかと思えば、ひだの中をまるで舌先で掬うようにして万遍なく丁寧に舐めまわした後は、器用に舌先を尖らせてそのまま狭い耳の穴の中に挿し入れ、うねうねと少し淫らにうごめかせたり……。

    そうしながら、気まぐれにふーっと唇を尖らせて優しく細く長く息を吹き込んできたり、ちゅっちゅっと濡れた音を弾かせて耳のあちこちに口づけたりしてきたので、俺はくすぐったさと何とも言えない高ぶりに身体がゾクゾクと震えるのを我慢することができませんでした。
    彼女の細く華奢な身体を抱きしめる力がいつしかこわばり、自分の吐息も鬼姫様と同じように乱れたものになっていっていました。

    二人仲良く乱れた熱い吐息を交らせ合う中、鬼姫様は俺の事をぎゅうと抱きしめたまま、無限といっていいほどたっぷりの時間をかけて、なおも俺の耳に舌を這わせ続けていました。

    「はあ……ねえ……おちんちん……舐めても、いい?」
    息を乱れさせたままの鬼姫様が俺を見つめる左右の瞳をとろんと甘く潤ませて小さく首を傾げたのは、俺の両耳がドロドロになるほどさんざん舐めまわしたあとのことでした。

    もうお湯からあがってだいぶ時間が経っていたのに、その両頬は真っ赤に染まっていて、また、頬と同じように赤く染まった彼女の細くやわらかな身体は燃えるように熱く、そしていつしか噴き出してきたたっぷりの汗のためにまるでオイルを塗り広げたように濡れた光を放っていました。

    と、俺が返事をしようとする前に、彼女は不意に俺の唇を奪いました。
    ぷにゅりとやわらかな鬼姫様の唇が重なるや否や、ぬるりと熱く濡れた舌が俺の中に入り込んできて、うっとりと瞼を伏せ小刻みに睫毛を震わせた彼女は、
    「ん……ん……」
    と甘い声をこぼしながら、俺を思い切り抱きしめたまま、二人のぴったり重なり合った唇の中で、ねっとりと大胆にそしてれろれろと細かく器用に舌をうごめかせていました。

    突然の事にびっくりしながらも俺もキスは嫌いじゃなかったのでこれに応じてあげると、彼女は「くぅん」と嬉しそうに声を漏らして俺の頭を掻き抱くとなおも舌を絡ませてきました。

    鬼姫様の唇の中はまるで生温かなたっぷりのローションか何かを含んだように濡れていました。
    彼女が唇を、舌を動かすたびに「ちゅぽちゅぽくちゅくちゅぷちゅぷちゅ」と、とろみのある淫らな水音がこぼれ、そしてどんどん溢れてくる彼女の唾液が二人の唇やあごを濡らしていきました。

    しばらくお互い抱き合ったままこうして舌を絡ませ合った後、どちらからともなく「ちゅぽん」と音を立ててそっと唇を離すと、頬を真っ赤に染めた鬼姫様はそれまで伏せていた瞼をゆっくり開き、とろりとした視線をこちらにむけると、ぺろりと悪戯っぽく赤い舌を覗かせて、
    「いっぱいいっぱい、ちゅうしちゃった」
    と恥ずかしそうにそして嬉しそうに微笑み、再びそのやわらかな唇を俺の唇に重ねてきました。

    この時のキスは一瞬で、すぐに彼女の唇が離れたあと、
    「フェラしたいんじゃなかったの?」
    と「おちんちん舐めたい」という彼女の要求と、濃厚にキスをするという実際の行動が異なることを俺が苦笑いしながら指摘すると、
    「どっちもしたいの!」
    と声を上げると鬼姫様はまるで子供のようにはしゃいだ様子を見せました。
    「おちんちんも舐めたいし、ちゅうもしたいの! 悪い?!」
    わざと大げさに頬を膨らまして拗ねてみせながら、けれどどこか嬉しそうな彼女に、
    「いえいえ、全然悪くありません」
    とこちらは苦笑いを浮かべることしかできませんでした。
    おそらくは鬼姫様自身興奮していて、自分でも何をしているのかよくわからなかったのが真相なのでしょう。

    と、ふっとはしゃぐのをやめた彼女が再びとろんとした視線をこちらにむけると、左手の人差し指を寂しげにその濡れた唇に添え、そっと小首を傾げて、甘くおねだりをするようにつぶやきました。
    「……じゃあ、おちんちん、おしゃぶりしても……いい?」

    病院では青い手術着の上に白衣を身につけ、さらに大きなマスクを着けてその素顔を見せず、しかも周囲に男言葉で厳しく接するのが当たり前の鬼姫様ですが、濡れた光を放つ黒く長い髪を頬に幾筋かほつらせながら、赤く染まったミルク色の華奢な身体にだらりと垂らしてペタリと座り込んだまま、おねだりをする子供のようにこちらを一途に見つめるその仕草はあまりにも愛くるしくて、見ているこちらは胸がいっぱいになってしまいました。

    ごくりと唾を呑み込んで俺は言いました。
    「その前に、おっぱい舐めさせてよ」
    「え?」
    こちらの言葉が予想外だったのか、鬼姫様は疑問の声を上げました。
    そんな彼女に俺は静かに続けました。
    「さっきは好きなようにさせてあげたでしょ? じゃあ今度はこっちのお願いも聞いてよ」

    別にわがままを言っているつもりはありませんでした。
    最初、初めて交わった時は完全に彼女のペースで最後まで事を終えました。
    キスをして、彼女の言われるままフェラチオをさせてあげて、そしてそのまま結ばれて最後を迎えたのです。
    ですから、今度はこちらの好きなようにさせて欲しい、愛しすぎる鬼姫様のすべてを自分の好きなようにたくさん愛したかったのです。

    「えー……」
    俺の言葉に彼女は少し頬を膨らまして、拗ねた様子を見せました。
    そして、
    「……いじわる……」
    上目遣いでこちらを睨みつけるようにしながら彼女は小さく呟いたのですが、その姿が自分の目にはあまりにも可愛く映りました。もう言葉に出来ないほど。

    ですから、気がつくと、今度はこちらの方から思わず彼女をぎゅうと抱きしめその唇を奪っていました。

    「……んぐっ!!」
    突然の事に鬼姫様は一瞬戸惑った様子を見せ、身体をこわばらせましたが、すぐにふっと緊張を緩めると優しく俺の背中に手をまわしてそのまま抱きしめ、さっきと同じように唇をゆるりと開いて俺の舌を招き入れると、自分の熱く濡れた舌を絡ませてきて、
    「ん、ん……んん……」と甘い声音をこぼしながら、ねっとりと俺と交わってくれました。

    しばらくして、どちらからともなく唇を離すと、鬼姫様は俺をじっと見つめながら、ニッと白い歯を見せて実にさわやかな笑顔を作ると言ってくれました。
    「好きにして……いっぱいいっぱい愛して……」
    そしてそのまま彼女は俺の腕の中で真っ白い喉元を大きく露わにしていきながら、くーっと全身を大きく仰け反らせていきました。
    それはまるで鬼姫様が自分のすべてを俺に捧げようとするかのようでした。
    神々しいほどに美しくて眩しく、見ている両目がくらみそうでした。

    そして、大きく仰け反りきった彼女がそのまま俺の両腕に全体重を預けてきたので、俺はこれを必死に支えながら、いつしかなぜか涙が溢れてきて止まりませんでした。

    どうしてこの人はこんなに愛しいのだろう、と。

    「あ……んん……はあっ……ああっ……! あ……ん……」
    日が沈んできたために外が暗くなり始めていたにもかかわらず、電気をつけていないために一際暗い別荘の中では、ただ鬼姫様の甘く濡れた声が静かに響いていました。

    露天風呂近くのフローリングの床の上で大きく仰向けに横たわった鬼姫様は、興奮して鼻息を荒くしながら彼女に覆いかぶさっていた俺の好きなようにされていました。

    静かに両目を伏せたまま俺に身を預けた鬼姫様を床に横たえた後、俺は彼女に静かにそのまま覆いかぶさると、まず濡れた髪を何度も丁寧にかきあげて、露わとなったその額にそっと口づけました。
    優しく優しく静かに口づけて、そのまましばらくずっと唇を離しませんでした。

    自分で言うのもなんですが、この時は興奮とか厭らしい気持ちとかは一切なくて、ただただ彼女への愛しい想いで胸がいっぱいでした。
    さっきから溢れていた涙は止まりませんでした。むしろ一層溢れてきました。

    何でこんなことをしたのか自分でもよくわかりません。
    ただ、無意識のうちに張り裂けそうな彼女への愛しい自分の想いを伝えたかったのかもしれません。

    しばらくして唇を離し、鬼姫様の顔を見つめた時、静かに両の瞳を開いた彼女と視線が重なりました。
    俺と目線があった瞬間、彼女はそっと両眼を細めて優しく微笑むと、俺の頬にそっと右手を伸ばしてきました。
    そして流れ続ける俺の涙を指先でそっと拭うと、小さく首を傾げて言いました。
    「……どうして泣いてるの?」
    「わかんない」
    自分でもどうしてこんなに涙が溢れるのか分からず、照れ笑いを浮かべながら俺が言うと、
    「何だか……わかる気がする……」
    優しい微笑みを浮かべたままそう呟いた鬼姫様は俺の頬にゆるゆると指先を滑らせたあと、静かに俺を抱き寄せ、そして耳元でそっと囁きました。
    「大好きだよ……だーい好き……」

    俺は彼女に抱き寄せられたまま、ぎゅうと目をつぶり、さらに涙を溢れさせていました。
    先にも書いた事ですが、それまでも俺の女性経験はゼロではありません。
    何度も「買った」ことがありました。
    ただ、そこに心はありませんでした。
    自分の醜い欲望を発散させようと必死な俺と、それを受けとめようと身体を駆使して巧みに演じる相手の女性がいるのみでした。

    そんな心ないセックスしか知らないまま30を越え、もうダメだとあきらめそうになっていた時、突然現れた生まれて初めての恋人。それがこの鬼姫様でした。

    仕事上でミスがあったらすぐに怒鳴り散らす短気な人。
    けれどそれ以上に優しくて甘えん坊なお姫様。

    そんな彼女への想いが、そして同時に鬼姫様の想いがお互いに無限に溢れ出て、この時はっきり形となって結ばれ合っていました。

    それはそれまで経験してきたセックスとはあまりにも違いすぎました。
    愛しい人と結ばれる事がこんなにも幸せな事だとは思ってもいませんでした。
    それは身体だけでなく、心までもがドロドロに溶けてひとつに交り合っていくような、性器と性器を重ね合わせなくても、こうして抱き合っているだけでも何度も絶頂を迎えてしまうような、まさにこの世のものとは思えない極上の心地でした。
    その幸せに自分は涙を流していたのだと思います。

    いや、偉そうなことを長々と書きましたが、要は自分の好きな女性とこうして結ばれるその単純極まりない、しかし、この上なく幸せな出来事に感動の涙を流していた、というのが正しいのかもしれません。

    しばらくして再びお互いの視線が重なり合いました。
    と、またも二人はどちらからともなく唇を重ね合い、舌を交らせ合っていました。
    ふと見ると、鬼姫様も伏せた両の瞳から涙を溢れさせていました。
    お互い溢れる涙をそのままにしばらく抱き合ったまま互いの唇を、舌を貪り交わり続けるのでした。

    と、このまま「愛に溢れる綺麗なセックス」が出来たらそれはそれは美しい物語なのでしょうが、ここが現実は違うといいますか……。

    唇を離してお互いの顔を見つめ合った時、大きな瞳を潤ませて、少し不安げにこちらを見上げる鬼姫様の幼くて無垢な表情が目に入った瞬間、俺の中では完全にスイッチが入れ替わっていました。
    ガバッと勢いよく顔を彼女の左耳に顔を寄せるとそのまま無様に舌を這わせていました。
    「あぁっ!!」
    俺の舌先がべろりと触れた瞬間鬼姫様は声を上げ、ビクッと身体をすくめました。
    これにビックリした俺は一瞬動きを止めてしまいましたが、そのあとも再び舌を滑らせていき、さっき彼女が俺に行ったのと同じように、鬼姫様の小さく可愛らしい耳の隅々まで細かく、時に大胆に舌を這わせ続けました。
    もっとも彼女ほど上手に出来たとは思いませんが……。
    「あ……あ……ああ……う……ん……ひあっ! ……あ……ああ……」
    俺の舌の動きに合わせて細く切なげに声を漏らす鬼姫様は身体をぴくぴくと細かく震わせながら、時折大きく声を弾かせてこちらの身体をぎゅうと思い切り抱きしめ、身体をこわばらせました。

    ちらりと彼女の表情をうかがうと、眉間にうっすらと縦じわを刻んだ鬼姫様は、切なげに両眼を伏せ真っ黒の長い睫毛をふるふると細かく震わせていて、かすかに開かれた唇からは艶めかしく「はあ……はあ……」と熱い吐息をこぼし続けていました。
    「もう……とろけちゃいそう……」
    うっとりとこぼした鬼姫様の言葉にこちらまでとろけてしまいそうでした。

    それからも俺は丁寧に時間をかけて彼女の小さな右耳を愛し続けました。
    鬼姫様をまねて、ねっとりと舌を這わせ続けながら、何度も耳のあちこちをやわらかくはむはむと咥えたり、気まぐれに息を吹き込んだり……。

    特に息を吹き込んだその瞬間彼女は、
    「ひゃっ!」
    と一際高く声を上げ身体をビクッと跳ねると、あとはへなへなへなと力なく身体を緩めていって、
    「ああ……あああ……」
    と細く儚げに声を漏らしていました。
    その姿の可愛らしさといったらたまらないものがあって、俺はなおも鬼姫様の耳を舐め続けていました。

    そして、もう一度彼女の耳の中に息を吹き込もうとした時です。
    不意に左耳の穴のあたりにぞろりとした感触が走りました。
    「ひぇっ!!」
    ビックリして思わず声を上げた俺が見ると、頬を真っ赤に染めた鬼姫様が少し顔を持ち上げ、懸命に舌を伸ばして俺の左耳を舐めていました。

    直後に俺と彼女の視線が重なると、
    「……私もいっぱい舐めてあげる……」
    そう言って鬼姫様は優しく微笑み、そのまま静かに両目を伏せると、俺の左耳をさっきしたのと同じように器用に舌を滑らせていました。
    耳の襞から穴の奥まで丁寧にねっとりとちろちろと……。
    そんな彼女の愛撫にくすぐったさとぞくぞくしたものを感じながら、俺も再び鬼姫様の左耳に舌を伸ばし、舐めまわしていきました。
    「ん……んん……」
    鬼姫様の甘く濡れた声が転がるように奏でられる中、耳の69と言っては何ですが、二人はそれからも仲良く互いの耳を舐めまわし続けていました。

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